金融機関に対する成年後見の届出

成年後見人(金融機関との取引についての代理権のある保佐人、補助人も含みます。)に選任されると、金融機関に届出を行うことになります。

都市銀行はどの支店でも届出を受け付けてくれますが、信用金庫や信用組合となると口座開設支店でしか届出を受け付けてくれないことがよくあります。最近は最寄りの支店で届出を受け付けて、口座開設支店に取り次いでくれる信用金庫も出てきましたが(東京東信用金庫など)、金融機関に最初に連絡をしたときは、今でも当然のように口座開設支店に来るように言われます。

私が成年後見人に選任される場合のご本人の住所は東京23区内ですが、都内といっても広いのでご本人の口座開設支店に行くだけで片道1時間以上かかることがあり、非常に不便です。ご本人の近隣に住んでいない親族後見人や、他に仕事をされていて金融機関の営業時間中に後見業務をできない市民後見人の方などは、さらに大変な思いをしていると思います。

さらに、過去には成年後見人にはキャッシュカードを発行してくれない信用金庫もありました。この場合、預金取引も口座開設支店のみとなります。

第二期成年後見制度利用促進計画では「市町村・金融機関等の窓口において、成年後見制度の利用者が、成年後見制度を利用したことによって不利益を被ることのないよう、国及び地方公共団体は、市町村の成年後見制度利用促進の担当部署以外の関係部署及び金融機関等の窓口担当者に対して、同制度の理解の促進を図る必要がある。」とされているので、国及び地方公共団体においては、成年後見人が金融機関での取引で不利益を被らないようにより一層理解の促進を図っていただきたいと思います。